2008-03

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ピグマリオン

ここはとある等身大フィギュアを制作している会社の一角。
100体はあろうかという等身大のフィギュアが所狭しと並んでいるのだった。
それぞれに作り手の思いがフィギュアの隅々までに行き渡っているようでもあり、まだ15年足らずとはいえ、フィギュア作りは奥深い経験を積み重ねていた。
たとえば怖ろしいほどの情念を生み出す文楽人形の「木偶につくる」ということは、写実に忠実あることでもなく、また作り手の芸術的な満足で生まれるのではない。
ただ生まれるようにぼんやりとつくるというのだが、名工のぼんやりとはなんなのだろう。
いずれにせよ、作り手の仕事はモノづくりのみで、もし魂を入れるとするなら人形遣いなのであり、持ち主なのだ。
そんな凄まじい情念を生む、まだ魂、命の吹き込まれていない人形たちが並んでいた。
070213a.jpg

ぼくにはいつも声をかけてしまうフィギュアがあった。密かに名前もつけていた。
もうそのとき、モノでありながら魂が入り込んだ不思議な生きる人形が生まれたのかもしれない。
魂もぼんやりと吹き込まれたその人形は、モノと生きる人形の境のような逢魔ヶ時だけ、ぼくの前に現れるようになった。
誰よりも美しくやさしいのだった。
だが、別れは突然やって来た。買い手がついたのだ、売れてしまったのだ。
ぼくは声をかけなくなった、もう名前も呼ばなかった。

出荷の前の日は美しい夕焼けだった。やがて訪れた逢魔ヶ時、すすり泣くような声を聞いたのだった。

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